両想い【完】
***
現在、午後10時
俺と暁人の部屋…
さっきの話を聞いてからついつい部屋にいる山野を観察してしまう俺がいた。
まぁ、観察しても、まったく何一つわからないけどな…(失笑)
もうそろそろ、美愛達を部屋に戻さないと、廊下の見回りに見つかったら大変だし。
「美愛、時間がやばくなってきた
送るから、部屋行こう?」
「うん、あぁ~隣同士とかなら
よかったのに…ねぇ、真琴ちゃん」
「だねぇ、美愛、あんた
ほんとはこっちで寝たいんでしょぉ(ニヤ)」
含みのある言い方をした山野。
少なくとも山野は、恋人なら一緒にいて一緒に寝たいって欲があるのをわかってる口ぶり。
でも、自分は違うのか?
美愛に、暁人の悩みを話したらなんか聞けるかもしれないが、これはかなりプライベートな、デリケートな問題だ。
切り出し方が難しい。
***
「真琴ちゃん…暁人君に
お話しあるって言ってたから、
私は祐君に先に送ってもらう、ね?」
「ん、サンキュー美愛
てことで、祐君は美愛をよろしく
暁人、ほんの少し話しいいかな?」
***
廊下をそっと歩き先生に見つからないように、俺らの階の5階から美愛の部屋の9階へ。