両想い【完】


「なぁ、美愛、山野達、ケンカでもした?」


「違うよ、なんか、最近ね
暁人君が悩んでるみたいって
心配してるの。」


あらぁ、自分のことってのはわからないのか?


「そういやぁ、俺にも何か
相談したそうだったかも、
美愛達が来る前…」


「そっかぁ、解決できるといいけど…」


***


部屋の前まで無事に見つからず来られた。


「じゃぁ、寂しいけど…おやすみ」


チュッ…だけでは済まずキスを続ける。


チュッ…今度こそラスト。


「おやすみなさい、祐君…また明日ね」


***


そっと部屋に戻ると、丁度山野が出るところで、さっと横を通り、行ってしまった。


「ただいまぁ…おい、暁人
山野、一人で帰してよかったのか?」


「いいんだ…ちょい、ケンカした…」


「あ?そぅ…なん?悩んでるのを
心配してくれてたんだろ?
言えたのか?」


「あぁ…『悩みがあるなら言って』
っていうから、正直に
『抱けなくて悩んでる』って言ったさ」


「そしたら?」


「『ごめんなさい』ばっかりで
真琴の引っ掛かりが何なのか
さっぱりだし、やっぱり
わざと避けてたってのも
分かっちまったし…はぁぁ~っ…」


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