両想い【完】
体育館みたいな大きなホールに食べ物や飲み物も用意されて、ステージではバンドが演奏してた。
クラス行動ではないので、俺は美愛と一緒にいた。
すると、暁人が一人でこちらに来たので、美愛と話がしたいんだと思い、美愛にそう伝える。
「祐君は、傍にいないの?」
「真琴のこと、相談したいんだ…
美愛ちゃん、ちょい聞いてくれっかな?」
暁人がかなりの真剣な顔で話すから、美愛も真顔で頷き、俺をみて『行ってくる…』と二人でホールの隅に行ってしまった。
2時間ほどしてパーティーは終了、美愛と暁人は終了間際に俺のところに戻り、疲れた笑顔の美愛達とホテル行きのバスに乗った。
***
「で?何だったわけ?」
俺は頭をガシガジ拭きながら暁人に聞く。
暁人はあれから疲れた顔で無口になり、何かを考えてるようだった。
「ん~…元カレが原因半分、
あとは俺かな…」
「お前にも?まさか…」
「まぁ、俺は…原因がわからないまま
真琴を抱いちまったからってとこ。
だから、余計に真琴が辛くなった…」
「でも、山野は話をしないで
お前を受け入れたんだろ?
俺と美愛は話し合ったんだ
あいつが大丈夫ってなるまで待つって…」