両想い【完】
修学旅行2・デートと解決へ
修学旅行もラストが見えてきた。
今日と明日の昼で終わりだ。
今日はオペラハウス見学と自由行動だ。
***
昼食を終えて美愛と待ち合わせ、ようやく二人で恋人らしく街を歩く。
「ねぇ、祐君…旅行中…
また告白されてたね?」
美愛がうつむき加減なまま、俺に聞いてきたから顔は見えないけど、悲しそうな声だ。
「あぁ、当然速攻、断ったけど、
もしかして、なんか言われたか?」
「ううん、言われない…
人が人を好きになるのは
自然のことで、祐君は魅力的…
たくさんの人にその魅力が伝わる
それは嬉しいことなのに…
私は心が醜くなってく…」
美愛はゆっくりと自分の弱さを話す。
「俺は、もちろんいろんなやつから
正当に理解されて人間として
好かれるなら嬉しいよ
でも、恋愛では、
美愛だけに解ってもらって
好きって言ってもらえたら
それだけでいいんだ。」
「うん、ありがとう…
私、解ってるつもりなんだよ?
でも、感情が押さえられない時がある…」
そう言って『ハァ~』とため息。
「祐君、買い物しよ?
二人のお揃い、増やしたい!!」
それから気分を切り替え、おみやげになりそうなものをいろいろみて回り、途中で写真を撮ったり、ジェラートを食べたり、とにかく、今を楽しんだ。