両想い【完】


「まぁ、何にも言えないよなぁ…」


「あぁ…で、その後に
俺とは辛かったか、イヤだったか…
ゆっくりと聞いたりしてさ…
まぁ、細かいことはあれだけど…
二人でさ…少しずつ解決してこうって
頑張ろうと思って」


そう言った暁人の顔は何ともスッキリ力強く感じた。


「ともかく、今回はせっかくの旅行中に
悪かったな…祐と美愛ちゃんには
ほんと、助けてもらったよ
ありがとな」


「いや、何もしてないし
これから二人が仲良くしてて
くれりゃぁ、それで大満足だから」


***


暁人と山野がこれから乗り越えるのはとても困難なことなんだろう。


でも、二人ならきっと、時間がかかったとしても、笑顔になれる、そんなふうに確信してる。


***


俺は美愛と毎回、これが今までで一番だって思ってしまうほど、溺れてる。


心が両想いで、体まで両想いってのは当たり前ではないのかもしれない。


今までの彼女とは、正直、適当なときもあったし、気遣いなくしてたときもあったかもしれない…。


でも美愛との時間は特別で、1秒も無駄にできないほどに愛しい…。


これからも美愛を大切にしたいなぁと想いながら眠りについた。




< 343 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop