両想い【完】
進路
修学旅行の最後の日
もっともっと、楽しく遊びたかったけど、これでおしまいだ。
***
最終日の今日は、 市内見学しながらそのまま、空港へ。
***
飛行機の座席につき、隣になったクラスの高山が話しかけてきた。
「なぁ?祐は井上さんのこと
かなり信頼してる感じ?」
「はぁっ?なんだ、その質問…
バカにしてんのか?」
「違う、違う…落ち着けよ。
そうじゃなくて、心配してやってんの!」
「?なんの心配をお前がすんだよ」
「いや、さっきさぁ…
空港の搭乗前にトイレとかの
時間があったろ?」
確かにあったが、だからなんだ?
「そんときに俺、見たんだ…
井上さんが外人のイケメンと
抱き合ってんの…で、頬にキスもさ…」
頭が一瞬フリーズ…するが、高山がうるさくあれこれ言うから、嫌でも思考が戻る。
フッと思い当たり携帯を取り出した。
電源を入れてメールを取得する。
思った通り…美愛から搭乗前、ギリギリにメールが一件入っていた。
「高山、お前の心配は無駄、
まぁ、俺らは全く問題ないけど」
そういいながらメール画面を見せてやった。