両想い【完】
「もうっ!祐君!?」
ベッドから下りて慌てて下着など集めて、後ろを向いて着ている。
「いまさら隠さなくてもいいのに」
言うと、睨んできた(全く怖くないよ…)
それから俺も洋服をきて、自宅へ戻った。
***
帰宅すると親父とお袋が春からの生活についていろいろと話をしていた。
「ねぇ?祐…
美愛ちゃんのお母さんとも話を少し
したんだけど…」
話しかけられ、俺もダイニングの椅子に座る。
「あのね?
あなたと、美愛ちゃんの気持ち
次第なんだけど…
あなた、美愛ちゃんのお宅に下宿
してみる?」
「下宿?」
なんとも古くさい言葉…。
「そう、だってね、結局行き来して
お食事お世話になって…って。
だったら、最初から食費なんかを払って
お互いに気兼ねなく、
ってのはどうかと…」
「大学生じゃなく、この春からいいのか?」
「ええ、だってお父さんは
この春休みに転勤だもの。
井上さんのお宅、お部屋があるって
言ってくださるし。
どうしたい?」
「俺は許されんなら、それ
大歓迎、ありがたい。嬉しい」
思わず親に、かなり素直に言っていた。
「じゃっ、そうさせて頂きましょ。
春休みに引っ越し。この家は
人に貸すことにするわ」