両想い【完】


***


第三回の進路希望調査表を提出し、いよいよ来週になったテストに向けて、図書室にて自習中。


「祐君…ちょっといいかな?」


山野が、美愛が席を外したすきに話しかけてくる。


山野と暁人は少しずつ話し合いをして、触れ合いをふやしていってるらしく、何とかなりそうだと聞いてた。


「ん、何?」


「ちょっと、美愛がいないとこで」


そう言われて、二人で参考書を探す振りなんかしながら、誰もいなさそうな本棚までくる。


「何?」


かなりの小声で、頭を近付けて話す。


「ねぇ、誤解ならごめんね?
祐君と美愛って、避妊…してる?」


「はぁっ?!?」


思わずデカイ声が出たのを、山野が手のひらで思いきりふさぐ。


「バカっ…ったく…
あのね、最近の美愛、体育休むし、
貧血気味だし…
気分悪そうで…まさかって思って…」


??何を言ってる?


「それって…妊娠、してるかもって
言いたいのか?」


山野は頷くと『これ』と、小さなコンビニの袋をくれた。


中を見るとさらに紙袋があり、それには『妊娠検査薬』なる商品が入ってた。


「さすがに祐君が薬局で買うのは
恥ずかしいでしょ?
二人には、暁人とのことで
助けてもらったから…
これくらいしかできないけど。」



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