両想い【完】
***
きちんと終わらせたかった俺は、それで由紀が別れてくれるならと、OKした。
5日の、俺の誕生日のデートがラスト…
そんな由紀とのやりとりがあり、今の俺はまだ、由紀の彼氏…。
正直、キツイ。
でもしかたない。
今日の放課後を待ち遠しく思った。
***
図書室の奥にある、自習スペースは少し大きめの4人テーブルが並んでいる。
俺は、憂鬱な気分でその1つに座る美愛と、聡に近付いた。
朝はあんなに楽しみだったのに、なぜ、憂鬱か?
それは、俺の隣に由紀が引っ付いてるからだ…。
『物理』の勉強会をするって言ったのに、美愛がメンバーに居ると知ると、あたしも隣で試験勉強すると言い出した。
聡に助けて貰おうと昼休みに話すと、なんと山野が急なバイトシフトで放課後残れないから、「いいんじゃね?」なんてぬかしやがった!
っくそぅ~!後で覚えとけよ!!
俺『ら』を見つけた美愛はにこやかに手招きする。
その横では聡が…何か、楽しんでる悪魔な笑顔を見せていた…。
***
俺は美愛の向かい、由紀は聡の向かいに、それぞれ座り、テキストなんかを出して早速始めることにした。