両想い【完】
「いいの?一緒に帰らなくて…」
美愛が心配そうに聞いてきた。
「あぁ、いいんだ。もともと
そのつもりだったし。
俺はまだ美愛ちゃんに教わりたいし。
テストまであんま、時間ねぇしさ。
もう少しいい?」
「うん、私は時間大丈夫だよ。
お礼まだ返せてないし!
なら、次解いていこうか」
そうして、6時近くまで図書室勉強会は続いた。
俺は疑問も解決、由紀も先に帰りホッとしていた。
「それじゃあ、
今日のとこはこんくらいにしとくか…
んん~っ!」
聡が伸びをしながら話し、片付けを始めた。
***
3人で図書室を出て下駄箱に行く途中、美愛が『あっ!』と叫んだ。
「どしたの?美愛ちゃん?」
聡が聞くと美愛は忘れ物をしたからと、先に帰るよう言ってきた。
「せっかくだし、次回の日も相談したいしさ、
待ってっから、いっといで?」
優しい聡の言葉に感謝しながら、『いってくるっ!』と走り出した。
美愛が見えなくなると聡が俺に向かって話し出した。
「さっきの…あれ…
美愛ちゃんわざと騒いだな…すげぇな」
「やっぱ、わざとだよな?
俺もそうかなって思ったんだ」
由紀のすぐ後に注目を浴びることをし、由紀から興味を自分に向けた。