両想い【完】
5時少し前に俺達の座るオープンスペースのテーブルに、影が差し、振り返ると格好いい男が二人立っていた。
「お兄ちゃんと流星君!!また来たのぉ~!」
俺達より少し先に気づいていたらしい美愛が、立ち上がりながら話しかける。
どっちが兄貴か…直ぐに分かった。
美愛と口元がよく似ていて、いい顔の兄妹なんだと、思わず感心してしまった。
背は俺より明らかに高くスタイルがいい。
髪は短めで眼鏡をかけていて、涼しげで爽やかな顔にそれがよく似合っている。
「よぉ!美愛。テスト中じゃなかったのか?
いいのか、サボって。」
「昨日で終わったの。みんなは勉強仲間なの。
お疲れ様会してたんだよ」
美愛にそう言われて3人で軽く頭を下げる。
「そっかぁ、お疲れぇ。俺、
こいつの兄貴で光輝(こうき)っていいます、
お子さまで甘えたな妹だけど宜しくな♪」
光輝さんは美愛の頭から肩へとするっと手を回し、抱き寄せるようにしながら話す。
「お兄ちゃん!それ言い過ぎだよっ!」
笑顔で怒ったふりをしていて、なんとも可愛い…。
「んで、こいつが俺の悪友の
松井流星(まついりゅうせい)、
無口だけどいいやつね」