両想い【完】
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「ねぇねぇ、美愛~お兄さんって何学部?」
「ん?あぁ、……医学部、だよ、
今4年、国家試験あるし
大変なんじゃないかなぁ…」
答える時に少しだけ、言い淀んだというか躊躇った気がしたが、直ぐに笑顔で話し出したので、忘れてしまった。
しばらく話していると美愛の携帯がなった。
『ごめんね』と断りを入れてから席を立ち、話し出した。
「ねぇ…祐君?…ぶっちゃけ…
美愛のこと好きでしょ」
少し声を落とした山野がいきなり決めつけて言ってきた。
「ングッ…フ…!!」
驚き過ぎて否定することも忘れ、コーヒーを何とか飲み込んで、山野を穴のあくほど見てしまった…。
「フフフッ♪」「クククッ!」
同時に2つの笑い声が聞こえ、ようやく俺は我に返った…。
「分かりやすっ!
さっきもお兄さんにめちゃ妬いてたし…。
耳元にキスとか、驚くよね。
お兄さんは初めてみたけど、
あそこの家族、スキンシップ多いからねぇ。
まぁ、あたしはなんもしないし言わないから、
頑張ってねぇ~(笑)」
山野はニヤニヤしながらそういうとカフェオレを飲み干した。
「俺もぉ~なんもしなぁいっ!
んでも見物してやるぅ、マジおもしれぇし!」