両想い【完】


***


「ねぇねぇ、美愛~お兄さんって何学部?」


「ん?あぁ、……医学部、だよ、
今4年、国家試験あるし
大変なんじゃないかなぁ…」


答える時に少しだけ、言い淀んだというか躊躇った気がしたが、直ぐに笑顔で話し出したので、忘れてしまった。


しばらく話していると美愛の携帯がなった。


『ごめんね』と断りを入れてから席を立ち、話し出した。


「ねぇ…祐君?…ぶっちゃけ…
美愛のこと好きでしょ」


少し声を落とした山野がいきなり決めつけて言ってきた。


「ングッ…フ…!!」


驚き過ぎて否定することも忘れ、コーヒーを何とか飲み込んで、山野を穴のあくほど見てしまった…。


「フフフッ♪」「クククッ!」

同時に2つの笑い声が聞こえ、ようやく俺は我に返った…。


「分かりやすっ!
さっきもお兄さんにめちゃ妬いてたし…。
耳元にキスとか、驚くよね。
お兄さんは初めてみたけど、
あそこの家族、スキンシップ多いからねぇ。
まぁ、あたしはなんもしないし言わないから、
頑張ってねぇ~(笑)」


山野はニヤニヤしながらそういうとカフェオレを飲み干した。


「俺もぉ~なんもしなぁいっ!
んでも見物してやるぅ、マジおもしれぇし!」

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