両想い【完】
「焼き豚手作りとか、凄いね!?
美愛ちゃん。料理天才なんじゃん?
あ~っ、俺も食いてぇ~!!
その従兄弟君、従兄弟ってだけでズリィ~」
聡が店から出た通りで騒ぐ。
素直に食いたいとか、ずるいとか言える聡が羨ましかった…。
「じゃあさ?聡君もいけば?応援。
たしか、サッカー部だったよね?
中学んとき。
美愛、どうせ、いつもみたいに大量に作って
葵君のチームメイトにもあげんでしょ?」
山野が聡を一緒に行かせようとしてる?
あいつっ!何にもしねぇって言ったくせに!!余計なことを!
「おっ!行きたい、行きたいっ!
てか、ぜって~行くっ!!何時?どこ?」
聡はすっかりその気だ。
「もちろん、いいよぉ。
応援が増えるの大歓迎~。
葵君のチーム、上手いんだよ!!
きっと練習試合でも、
見応えのあるの見られると思うよ。」
美愛は嫌がることなく歓迎ムード満点でにこにこだ。
「そうゆぅ…ことなら…
おっ…俺も応援、行ってやるよ…」
思わず上からな感じで言ってしまった。
一瞬、シ~ンとなったが直ぐに、美愛が『すごおぃ!!楽しみぃ』と大声をだした。
視界の隅っこで聡と山野がクスクス笑いを堪えているのは、無視することに。
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