両想い【完】


山野よりも泣いたんじゃないかってくらい今は赤い…潤んで大きくぱっちりした目。


白い肌にほんのり紅い頬とキュッと結んだピンクの唇…


一瞬で、胸が尋常じゃないくらいドキドキして慌てて視線を反らした。


こんなに可愛い子が同級にいて気がつかなかったなんて何か悔しい…ってくらい、可愛かった。


染めてないだろう少しだけ茶色にみえる胸元までのストレートヘア、小柄で、小顔で華奢で…


ドキドキはなかなかおさまらない…


泣き笑い顔の二人はそんな俺の横をスッと通りすぎ、S2クラスへと入っていった。


山野はチラリと俺を見た気がしたがそれどころではなく、ただ、立ち尽くしていた。


あぁ…同じSなんだなぁ…なんてことをぼんやりと思いながら。


***


チャイムがなり始め、ようやく俺は自分のクラスに行き席についた。


が、頭のなかは『彼女』で一杯だった。


1年は何組だったんだろう?


彼氏いるのかなぁ?


なんて、あの子が、あの可愛い顔が、頭から離れなかった…。


これは、なんだ?




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