両想い【完】
まじに、美味い!!
この量、美愛にとったら大変だっただろうけど、このランチタイムは最高に美味くて幸せで、有り難かった。
でも…葵のあからさまな態度が気に食わねぇ…。
あれこれと美愛に話しかけながら隣にぴったりと寄り添い、自分は美愛に世話をやく。
何にも知らないやつがみたら、100パー恋人がいちゃつきながら食事してると思うだろう。
飲み物をとったり、おかずを口に入れたり、口元を拭いてみたり…
俺の入り込むすき間が、ねぇ…!
「あぁ~美味かったぁ!!
無理でも頼んで来た甲斐があったなぁ~
なっ?祐♪」
周りが次々にご馳走様するなか、食べ終わった聡が俺に話を振ってきた。
「んっ?あ、ぁ…もちろん!!
めちゃめちゃ美味かったよ!!
美愛ちゃんマジありがとな、ご馳走様。」
俺は美愛を見て心から感じたままを伝えた。
するとパァ~っと明るい笑顔で、少し照れているのか赤い頬で、『お粗末様でした♪』と返してくれた。
葵はまた、最初の時のように睨み付けてくる。
俺はこのままではいけないって分かった。
さて、どちらから行こうかな…
***
俺は美愛が一人になるときを待ち続けた。