両想い【完】


午後からの練習と試合が2つのグラウンドで始まり、俺達はベンチに戻った。


西中は先ずは練習らしく、隣に座る美愛はお弁当箱などバッグの中を片付けていた。


***


「なぁ…美愛ちゃん…。」


俺は、半分は嫉妬、半分は美愛のために、葵とのことを聞いてみようと思った。


「ん?なぁに、祐君。」


ニコリとしながら、顔をちゃんと俺に向けてくれる。


「あのさ…今、俺が言うことって、
お節介てか、余計なことなんだけどさ、
やっぱ、確認ってか、言いたくて。
聞いてくれっかな?」


「??うん?なんだろう…
どきどき…する。けど、もちろん、
何でも聞かせて下さいっ」


真剣な、でも俺を安心させるような柔らかい顔でじっと見つめてきた。


「え、とな。葵って従兄弟、だよな?
従兄弟って結婚できるらし~けど、
二人…カレカノ…か?」


「!ち、違うよっ!!」


「そっか…よかったぁ…」


「えっ?」


「あっ、今のは気にしないで。
そっか、なら、ますます言わせて貰うな?」


「うん?」


「二人がすげぇ仲良しなんは、
よく分かったしいいと思うんだ、
けど、今日の見てっとカレカノだぜ?あれ。」


「!!?そうなのっ!?」


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