両想い【完】
涙が瞳に溜まってはいるが、止まったようだ。
そして、顔つきも気持ちが切り替わったような雰囲気だった。
「泣いてごめんなさい。
ねぇ?祐君。もっと、教えてくれるかな?
このままの私でいて、
その私の行動で誰かが傷付くのは嫌なの…。
気を付けていたつもりだったけど、
家族って甘えてたなぁ」
強い意志を持った目で、見上げてくる。
「あぁ、もちろん、まぁ、
俺の主観だからあてにならないかもだけど。
…なぁ、今さらだけど…こんなん言って、
傷つけたな?ごめんな…
でも、話さなきゃと思ったのはさ、
あれを見た誰かが…美愛ちゃんは
誰とでもいちゃつくとか勘違いされたら
嫌で、さ…俺の勝手なんだけどね。」
「祐君…嬉しいよ、私。
傷付いたりなんかしてない。大丈夫っ!
そっかぁ、祐君はやっぱり優しい、
嬉しいの。ありがとう。
私自身に向き合ってくれて。
確かに、私も軽い女の子って
思われたくないっ!」
思いきりそう言った美愛と目が合い、互いに『フフフッ』と笑い合った。
「ねぇ?具体的にどれがダメだった?」
朝からの二人を思い出しながら、カレカノがしそうなことを教えてやった。
半分はヤキモチからだったけど、美愛と少しでも誠実に接することが出来たのか?