両想い【完】
美愛のことを好きってことでは、ライバルだ。
でも、すげぇ格好いいライバルで、勝ててる気はしない…。
まぁ、そもそも勝ち負けじゃないんだが、男として負けてる、そんな気分だ。
俺と聡は夕方からバイトがあるため、美愛と山野に断り、帰ることにした。
「じゃあね、また、学校でねっ!!」
最後にライバルに話をしないと、な。
俺は休憩している葵のところへむかった。
***
「葵っ!俺ら帰るな。」
「!?そうなんすか?…
今日は応援ありがとうございましたっ!」
力をぬいていたのをシャンとして、俺らに頭を下げる葵。
「これからも、頑張れよ。
高校もサッカーでいくのか?」
素朴な疑問だった。
「うぅ~ん、どうっすかね…悩んでます。
高城さんはなんで続けなかったんすか?」
「俺?葵がみたのの次の試合でな、
足首痛めてさ、まぁ、俺も悩んだけど…
サッカーは続けられなかったなぁ」
「そう…すか…。ありがとうございますっ!
話!俺もめいいっぱい考えますっ!!」
「おぅ、悩め悩め(笑)」
エヘヘっと照れ笑いをする姿は、純粋にサッカーが好きな、中学三年生だ。
***
「あのさ、まだ、少しだけ時間平気か?」