両想い【完】
俺は、今日を逃したら次はいつ葵に会えるかわからない。
「ん~あとぉ5、6分で集合っすね、
なんか話っすか?」
「あぁ、ちょっと、な。」
急に真顔になり、頷いた葵。
「じゃあ、あっちで…」
二人で隅の方に行き互いに向き合う。
「回りくどいのは時間もねぇし、
面倒だから本題な。」
「はい…」
「俺は、まだ本人に告ってないから
先に他のやつに言わないけど…
本気で好きなやつがいる。」
「きっと、俺と同じ人…ですよね。
料理が美味くて優しくて、
俺の、従姉妹、ですよね?」
「さっき、従兄弟なのにあの
スキンシップは回りに勘違いさせるって
丁寧に教えておいたから、
これから同じことしようとしたら、
嫌われるかもしれないぜ?」
「チッ…余計なことしてくれましたね…
高城さん…まぁ、いいゃ」
「俺は俺の本気を、
彼女にこれからマジで伝えてく、
ただ、姑息なこととか、んなことは、
しない。これは約束する。
それを葵に言っときたかったんだ。」
「…分かりました。俺も、
外堀からと思ってまぁ、やってましたが、
いいでしょう。正攻法で、
俺が落としますから」