両想い【完】
***
放課後、俺は気になり体育館に見に行った。
二階の観客席からは、俺以外にも男女関係なく結構な見物人がいた。
チアの練習だ。
クラスのやつを見つけて並んで下を見る。
「お前、誰目当てで来た?」
風見暁人(かざみあきと)が聞いてきた。
「えっ?いや、誰ってか…」
口ごもっていると『あぁ、井上さんか?』と図星…
俺は恥ずかしくなり、熱い顔をしながら『うるせぇよ…』とだけ答えた。
「悪りぃ、別にからかった
つもりじゃないんだ。
俺、真琴ちゃんが気になっててさ、
いつも一緒じゃん、あの二人。」
「おぉ、山野な、
俺ら聡と3人同中なんだよ。
そんで、つるんでるっつうか。
まぁ、俺と聡は、
お前の邪魔しないから安心しろ、
むしろ協力してやるよ?」
「マジで!?サンキュウな。実は俺、
四人でいるの見てて、カレカノが
二組なのかって、気になっててさぁ…
あぁ~ホッとしたぁ(笑)」
「おい、えらくホッとしすぎじゃね?
協力はするよ、でも山野の気持ちは、
今までそんな話しもなかったし、
知らねえんだ」
「いや、状況わかったし、
気持ちは自分で確かめるしいいよ。
あっ、出てきた…」