両想い【完】


指導の教師が来て、色別に集まり何か話をしている。


当然、俺は黄色の集団の中の、美愛だけを見ていた。


美愛が立ち上がり少し場所を広くとり、みんなが手拍子を始めた。


いや、美愛だけでなく5人だ。


黄色は手拍子の中、その内の3人が去年の振りだろうか踊り出した。


『こうだっけ?』とか言いながら踊る方も見る方も笑顔でやってる。


しばらくして手拍子は拍手になり、美愛達は照れくさそうにしながらまた座った。


三色とも、場所を離して整列したりしながら、練習が始まった。


基本は同じ振り付けだ。


だが、見てるとアレンジはOKのようだ、美愛は少し大技っぽいことを練習してる。


時間の経つのも忘れ、ただ美愛を見ていた。


周りも小声では話をしていたが練習の邪魔になるようなこともなく、暁人も夢中で山野を見ていたようだった。


不意に『ピピィ~!』と大きくホイッスルがなり、ビクッとした。


「はぁい!今日はここまでとしまぁす!
明日以降も4時から5時半までここで毎日です。
土曜は大丈夫な人はお弁当持ちで
1時半から3時、他の種目練習のときは
面倒でもリーダーに届け出ることっ!
わかった?じゃぁ解散!!」


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