両想い【完】


「そっか、真琴ちゃんとか言うから
親しいのかと思ったけど…これからね。
じゃあ、出てきたら声かけてやるから話せよ」


「!?えっ!?マジで言ってる?いや、えっ…」


焦ってるうちに、ラストなのか扉を閉めながら美愛と山野と3年が二人出てきた。


***


「美愛ちゃん、山野お疲れっ!」


俺は少し、後ろの3年に頭を下げつつ、声をかけてみた。


「じゃあ、二人とも明日もヨロシクねぇ、
頼りにしてるからぁ、バイバイ~」


3年は二人を追い越しながらそう言って帰って行った。


「はいっ!お疲れ様でしたぁ!!」


元気よく後ろ姿に挨拶をしてから、俺らに向き直った。


「祐君!
ラストまで見てくれてて応援ありがと!」


ニコニコしながら、美愛が見上げてくる。


うぅ~…可愛いなぁなんて、心でデレながらなんでもないように、暁人を紹介する。


「おうっ、楽しかったぜ。また見に来るよ、
こいつ、同じクラスの風見暁人っての。」


すると、山野が「知ってるぅ」と言った。


「去年、確か文化祭実行委員でいたよね?
あたしとはグループ違ったけど、
同じ1年で覚えてるぅ!」


暁人は分かりやすく赤くなりながら、「おうっ…」なんて返事してる。


< 87 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop