両想い【完】
「やったぁ!!」
小さいが確かにそう美愛が言って、また、歩きだした。
俺と一緒にいることを喜んでる。
俺はそれの何万倍も嬉しいと思えた。
***
駅前からモールにはいり、目当てのアイス屋へ行く。
蒸し暑い梅雨だ、アイス屋は結構混んでいた。
時間は6時前、美愛は注文の前にメールをしているようだった。
俺はもしかしたらと思い声をかけた。
「美愛ちゃん、今日は俺が送るって
家族に言っときな、な?
そしたら、ゆっくりアイス食えるだろ?」
パァっと明るい顔をして「また、いいの?」なんて聞いてくる。
「当たり前(ニコリ)送らせてくれる?」
「うんっ!!ありがと!メール、打ち直す~」
***
しばらく並びようやくアイスを手にした。
美愛はカップに桃のシャーベットとチョコレート、俺はレモンシャーベットをコーンで、山野達は、知らねぇ…。
「はぁ~生き返るぅ~」
山野が食べ歩きしながら、通路の隅に寄る。
それに着いていきながら、『確かに』なんて会話をする。
同校のやつらもいたけど、目で挨拶をかわす程度で、わざわざ俺らに話しかけてくるやつはいなかった。