両想い【完】
返事
あれから家までは他の話をして帰り、自分も自宅へ帰った。
***
返事…結局、美愛の気持ちが猪瀬に向いたか友達止まりかは、あの言葉からは判断出来なかった。
明日猪瀬に返事…するんだな。
山野なら、聞けば教えてくれっかな。
暁人とのことを聞くついでみたいに、軽く…
いや、美愛が話してくれるのを待つ…。
***
翌日は俺の気分の様に雨。
ああぁ…憂鬱だ…
***
「ようっ!!なんだよ、元気ねえなぁ」
聡がホームでバシッと背中を叩いてきた。
「ってえなぁ…」
いつもならやり返してくる俺が、それだけだとわかると、真面目な顔で『美愛ちゃんと何かあった?』と聞いてくる。
「いや、直接は…ない。
だけど今日…猪瀬に返事するって、さ。
自分の気持ちが分かったらしい…」
「えっ?それはどっちに?
分かったって、何かをあいつに
感じちゃったって、ことか?」
「わかんねぇよっ!!」
思わず怒鳴ったように声を荒げてしまった。
「っ…悪りぃ、八つ当たり…」
「いいよ、んなの。それより、
そっか…わかった。
教室で注意しとく。
んで、真琴ちゃんにも聞いてみる、な?」
「あぁ…マジ悪いな…なんか、
こんなん初めてで俺さ、
ほんとどうしていいかわかんねぇ」