両想い【完】


「はよ~」


朝の挨拶が交わされるなか、聡と別れクラスに入る。


机に突っ伏して目を閉じる。


「祐、おはよ」

肩を叩かれ暁人に声をかけられた。


「ん?あぁ、暁人。おはよ」


「昨日はマジでありがとな!!
すげぇ楽しかったし、帰りも結構話せてさ。
メアドとか交換出来たんだ。祐様様だよ。」


「そっか…よかったな…
山野、いいやつだし。
なんか、春に振られたらしくてさ、
それ以降はそんなん聞かないし、頑張れよ…」


言葉はかなり応援してる内容だが、声が暗くて重いため、全然励みになりそうになかった。


「お、う、ありがとな…?
なんか、えらく暗いな…?大丈夫か?」


「いや、気にすんな…ハハハッ…」


から笑いしながら、やり過ごした。


***


1日が、1時間が長い…。


聡からはまだ、何も連絡が、ない。


今日はS2に行く勇気がない。


ただ、ただ、放課後を待つだけ…。


昼休みも、珍しく一人で学食に行った。


まだ、連絡はこなかったし、今日は3人に廊下でも全く会わなかった…。


五時間目と六時間目の間の休みについに、聡からメールがきた…。


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