両想い【完】
ちょうどチャイムがなり俺は手を上げながら自分のクラスに戻った。
***
バイトが終わり聡と着替えをしている控え室。
「美愛ちゃん、どうだった?」
「ん~なんか落ち込んで自分を責めてたけど、
クラスではどうだったんだよ?」
「午前中はさ、猪瀬を上手く
呼び出せてなくてさ、
昼休み、食べる前に声をかけたわけよ。」
着替え終わり店から出て歩きながら話す。
「で、結構経って先に猪瀬が
納得いかないっての?
憮然とした顔で戻って、弁当持ってまた、
出ていった。
で、昼休み終わるって頃に
ハンカチで口元押さえてってか、
拭きながら美愛ちゃんが戻って来た、と。」
「拭きながら?」
「んあぁ…たぶん顔を洗ってきて
拭いてたんじゃねぇかなぁ、
前髪とかも湿ってたし。」
「泣いた…ってことか…」
「まあ、そうだねぇ…」
「美愛ちゃんさぁ、朝からそわそわしてて、
なぜか山野も。(笑)
猪瀬のことだろうなぁって思って見てたわけ。
でもさ、なんかそれだけじゃないんだよ、
美愛ちゃんは。
3組寄りの教室の入口気にして
チラチラみたりしてさ、
無意識かもしんねぇけど、
お前を待ってたんだよ、あれは。
頼りたかったんじゃね?」