両想い【完】
聡の話を黙って聞いていた…。
まぁ、猪瀬を呼び出して話をし、互いの思いがそれぞれ伝わらず、すれ違ったのだろう。
聡のいう、俺を気にしていたってのが本当なら飛び上がるほど嬉しい(しないけどな…)。
「このあとに、電話で話すっことにしてんだ。
なんか、待っててくれるって。
そういやさぁ、あの
『ドキドキしない』ってのは?」
「あぁ、あれは美愛ちゃんが帰ってくる前に
真琴ちゃんと話してて、
こっそり教えてもらったわけよ。
お前が死んでんだろ~と思って!」
「まあ、真琴ちゃんが昨日の夜に電話で
『明日返事しようと思う、
これ以上時間を重ねても
友達にしか思えないし、
一緒にいてドキドキしない』って感じで
聞いたらしくて、」
「ふぅ~ん…そうか、ありがとな。」
「別にぃ~!んじゃ、また明日なぁ~」
***
家に入り急いでシャワーを済ませ髪が濡れたまま部屋のベッドに座り携帯を取り出す。
時間は10時8分…
よしっ…!
トゥルル、トゥ「はいっ!!」
勢いよく美愛の声が耳元に聞こえる。
「うおっ!?はえぇ~よ…みぃあぁちゃぁん…」
笑いをこらえながら返事する。