座敷わらしのしのぶちゃん♪
とにかく、卒業を控えまだ就職先が決まらない私はかなり焦っていた。


だから何事にも冷静に判断する私がこんな決断をしてしまったのも


その焦りと自分に存在感がなかった事にやっと気づいたせいかもしれない。


それでーーー


今、私はあるビルに向かっている。


というのも1枚の求人広告を見たからだ。


就職試験に落ちた帰りに電信柱にペロンと1枚の求人広告が貼ってあった。


もう少し風の強い日だときっと飛んでいたと思う。


ただ春先の緩い風になびいてペロンって張り付いている広告は


【急募】と言う赤い文字だけがやたらと目立ち


何故か私の目を引いた。


その広告にゆっくりと手を伸ばす





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