Snow Drop Trigger
「うーん、ドッキドキの放課後寄り道タイムだね!」
「……普段は一直線で帰りますもんね」
「そそ。
だって無駄に体力消費するし。
まあでも、誘われるのなら本望って奴だねぇ!」
秋子さんも春也君も乗り気のようで、誘って良かったと思う。
俺達は靴箱から移動し、自転車持ちの俺の為に今度は駐輪場まで足を運んでいた。
自転車通学の俺にとって、自転車はとても大事な通学手段であり、これが無いととてもじゃないが通学してられない。
「すぐ転送するから、待っててくれ」
駐輪場に到着した俺は皆にそう言い、自分の自転車の場所へ移動した。
赤くなっているテディベアのキーホルダーに、自身の携帯端末を翳す。
「自宅に、転送」
するとテディベアが黄色になり、自転車はみるみるうちに転送された。
それを見ていた悠太が、ボソリと口を開く。
「……科学の、進歩」
「本当、科学様様だよな」
悠太に相槌を打ちつつ、俺達は今度は正門に向けて歩き出す。
『Snow Drop』社が出来た瞬間からの科学は、目覚ましい進歩を遂げていた。
今までに出来なかった事が出来る、便利な世界へ変化したのだ。
「今日は何処行くぅ?
セントラルモールー?」
「セントラルモールより、この間出来たケーキが美味しい喫茶店とかは?」
「よぉし、それにしようか!」
桃瀬の質問に涼弥が答えると、秋子さんがハイテンションで同意した。
ちなみにセントラルモールとは、俺の誕生日に事件が起きたあの複合商業施設の名前である。
今になって思うが彼処には当分行きたくなかったので、涼弥の提案には感謝だ。
その感謝の意味を込めて涼弥の頭を軽く撫でると、口をあんぐりと開けた彼女が何か言いたそうに口を動かしていたが、とうとう何も言わずにマフラーに顔を埋めた。
それをニヤニヤと見ている桃瀬と秋子さんに気付いた涼弥は、一目散に否定の言葉を述べた。
……今更だが、秋子さんと桃瀬のテンションは少し似ている。
「あの喫茶店だったらとりあえず電車が早いよな」
「……次、15分後」
「……此処からだと良い具合の時間帯に電車が来ますね」
爽やかに移動方法の提案をした康介を、悠太と春也君が肯定する。
学校から駅まで然程かからないのだが、俺達の歩くスピードで考えれば丁度い時間帯だ。
皆で帰るのなんていつぶりだろう。
皆の背中と話し声、表情を後ろから見ているととても居心地が良く、この感覚はすごく好きだ。
「正恭!」
「ん?」
その幸せを壊したのは、俺を呼ぶ涼弥の悲痛な声音と、一番後ろを歩いていた俺のすぐ横に大型トラックが突っ込んでくる現状であった。
「……普段は一直線で帰りますもんね」
「そそ。
だって無駄に体力消費するし。
まあでも、誘われるのなら本望って奴だねぇ!」
秋子さんも春也君も乗り気のようで、誘って良かったと思う。
俺達は靴箱から移動し、自転車持ちの俺の為に今度は駐輪場まで足を運んでいた。
自転車通学の俺にとって、自転車はとても大事な通学手段であり、これが無いととてもじゃないが通学してられない。
「すぐ転送するから、待っててくれ」
駐輪場に到着した俺は皆にそう言い、自分の自転車の場所へ移動した。
赤くなっているテディベアのキーホルダーに、自身の携帯端末を翳す。
「自宅に、転送」
するとテディベアが黄色になり、自転車はみるみるうちに転送された。
それを見ていた悠太が、ボソリと口を開く。
「……科学の、進歩」
「本当、科学様様だよな」
悠太に相槌を打ちつつ、俺達は今度は正門に向けて歩き出す。
『Snow Drop』社が出来た瞬間からの科学は、目覚ましい進歩を遂げていた。
今までに出来なかった事が出来る、便利な世界へ変化したのだ。
「今日は何処行くぅ?
セントラルモールー?」
「セントラルモールより、この間出来たケーキが美味しい喫茶店とかは?」
「よぉし、それにしようか!」
桃瀬の質問に涼弥が答えると、秋子さんがハイテンションで同意した。
ちなみにセントラルモールとは、俺の誕生日に事件が起きたあの複合商業施設の名前である。
今になって思うが彼処には当分行きたくなかったので、涼弥の提案には感謝だ。
その感謝の意味を込めて涼弥の頭を軽く撫でると、口をあんぐりと開けた彼女が何か言いたそうに口を動かしていたが、とうとう何も言わずにマフラーに顔を埋めた。
それをニヤニヤと見ている桃瀬と秋子さんに気付いた涼弥は、一目散に否定の言葉を述べた。
……今更だが、秋子さんと桃瀬のテンションは少し似ている。
「あの喫茶店だったらとりあえず電車が早いよな」
「……次、15分後」
「……此処からだと良い具合の時間帯に電車が来ますね」
爽やかに移動方法の提案をした康介を、悠太と春也君が肯定する。
学校から駅まで然程かからないのだが、俺達の歩くスピードで考えれば丁度い時間帯だ。
皆で帰るのなんていつぶりだろう。
皆の背中と話し声、表情を後ろから見ているととても居心地が良く、この感覚はすごく好きだ。
「正恭!」
「ん?」
その幸せを壊したのは、俺を呼ぶ涼弥の悲痛な声音と、一番後ろを歩いていた俺のすぐ横に大型トラックが突っ込んでくる現状であった。