ステルラ-stella-[番外]

俺は両足のふくらはぎに痛みが走るほど強く、
自分の体に急ブレーキをかけた。


危険を察知した。


次の瞬間、出入口から廊下を見つめる俺の視界を、
左から右に物凄いスピードで何かが横切った。


壁に激しく叩きつけられたその物体を確認すると、
さっきの関西弁野郎だった。


「俺の可愛い可愛い妹に、よくも手出してくれたなあ」


聞き慣れた声。
突如包む安心感。


来た。あいつが。


声のする左前方を見る。


光を背中に受け、あいつは立っていた。


「オルビス…」


横にはクルシオさんと、ウルペース少佐を抱えたウィンクがいて、

三人の表情は怒りに満ちているのに笑顔だった。


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