ステルラ-stella-[番外]

息をするのを忘れていたあとにすぐ叫んだら、そりゃむせるよな。


だけど、気づいたらもう息をしてなかったんだ。叫んでたんだ。


これは自分の意志で冷静に判断してやったことじゃないから、仕方ないじゃん。


「何よ、うるさいわね」


お姫様はお怒りのご様子。


でも、分かった。


ステルラが今言おうとしたのは…
多分、俺も言いたいことだ。


「そういうことか…」


「思い出したの?私に言いたいこと」


「うん。俺が言う…から、ちょっと待ってて」


俺は今しがたのステルラと同じように、
コホンと軽く咳払いをしてから、スゥ…と息を吸った。


俺がステルラの目を見つめたとき。


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