コワメンとマドンナ
友達なんてもちろんできなかった。だが弟子だと名乗る者達は沢山集まってきた。
゛青山さん、昼飯のパンです。お納め下さい!゛
゛青山さん、昨日発売の漫画です!゛
舎弟のように俺の周りに群がる彼らは『ヤクザの若頭説』に真実味を帯びさせた。
女子達は離れ、軟弱そうな男は俺の機嫌を伺い、悪ぶっている男は喧嘩をふっかけてくる。
その喧嘩になぜか勝ってしまうため、さらに自称弟子が増える。
喧嘩といっても、殴ってくる彼らの拳を避けたり止めたりして、頃合いを見て立ち去るだけなのだが…。
そんなこんなで、高校生活三回目の春が来た。