学園スパイラル-女医の襲撃-
 しかし実際には17歳で学園トップの優等生だ。

「じゃあ行ってくるよ」

「いってらっしゃ~い」

 スタスタと立ち去る匠の後ろ姿を呆然と眺めていた志保だが、ハッとして匠の後に続いた。

 一体、学園長にどういう言葉遣いをするのか。

 志保はそれが気になったのだ。

 いつも丁寧な物言いの匠だから不備は無いだろうけど……と、志保はそのしなやかな物腰を見つめながら考える。

「!? わたしってば何を見とれてるのよ!」

 何もかもが上品なのよこの子! と意味の解らない怒りを匠の背中にぶつけた。

「……」

 匠は園長室に入る前に、あわあわしている志保を一瞥し小さく笑みをこぼした。

 ノックを4回、相手の声を聞いて「失礼します」と扉を開ける。

「!? わっ、待って!」

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