学園スパイラル-女医の襲撃-
◆第2章~匠という生徒
*殺す気か
匠の微笑に負けた志保は保健室に戻る──思えば彼女は保険医で、匠たちと接した事はほとんどない。
耳に入る彼らの噂に驚くやら呆れるやらで、さすがに我慢しきれなくなったというのが現状だ。
しかし、実際に接してみるとさほど悪い印象は感じられない。
「ううん! きっとネコ被ってるんだわ!」
頭を振って意識を切り替えた。
とにかく、あの生徒には要注意だわ……キリリと目を吊り上げ、決意したように拳を硬く握る。