学園スパイラル-女医の襲撃-
 動悸の治まらない志保の目に、紅の陽差しを受けて物憂げな表情で白いシーツの上に座り込んでいる匠の姿が映った。

「なんだ、布が被さってるのね」

「え?」

「なんでもないわ」

 聞き返してきた女生徒に慌てて応え、匠を見つめる。

 白い布を巻き付けた姿だが、その下は確かに全裸だと解る──半分以上が隠れているけれど、引き締まった体だという事は容易に想像出来た。

「みなみ女医こんにちは」

「今日はモデルなのね」

「花崗岩を引き受けてくださるので、ほんのお礼です」

「! 花崗岩? 昨日の?」

「はい」

「何か一つ言うことを聞いてくれるっていうから、モデル頼んだんです~」

 女生徒が嬉しそうに発した。
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