学園スパイラル-女医の襲撃-
 落ち着くために美術室の外に出る。

「はぁ~……」

 何度か深呼吸をしていると、美術室のドアが開き匠が出てきた。

 先ほどの事を思い出し、志保は思わず顔を背ける。

「何かご用では?」

 問われて我に返る。

「べっ、別に特に無いわよ。岩をどうするのかと気になっただけだわよ」

 明らかにろれつも回ってなければ声も震えている……泣きそうになりながらも、ぐっと涙をこらえた。

「あ、あなたね」

「はい」

 穏やかな声に喉が詰まり、端正な顔を見上げる。
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