A-YA-KA-SHI☆バスター!!
Act.1 【出逢い】
波の音と潮風が、心地よく耳元を通りすぎる。
夏には少し早く、目の前に広がる砂浜にはサーフィンを楽しんでいる若者がまばらにいる以外、あまり人気はない。
でももう一月もすれば、色とりどりのビーチパラソルがこの砂浜いっぱいに咲き乱れる。
・・・はず。
というのも、まだここに引っ越してきて1週間しか経っていないからだ。
美樹は潮風に流れる髪の毛を押さえながら、改めてこの喫茶店『free‐time』を見上げた。
海の真ん前、青い屋根に白い壁、窓には木目調の格子が建て付けてある。
外にはウッドデッキと、白いパラソル。
ここが自分の店だなんて、未だに信じられなかった。
ほんの1ヶ月前までは、街のケーキ屋さんでアルバイトをしていたのに。
「刈谷美樹さん?」
ケーキ屋さんの閉店間際、一人の品の良さそうな老婦人が声をかけてきた。
制服にはフルネームの名札がついていたので、いきなり名前を呼ばれたことには大して違和感はなかったのだが。
老婦人は、にっこりと微笑んで。
「あなた、喫茶店のオーナー、やりたいんじゃなくて?」
夏には少し早く、目の前に広がる砂浜にはサーフィンを楽しんでいる若者がまばらにいる以外、あまり人気はない。
でももう一月もすれば、色とりどりのビーチパラソルがこの砂浜いっぱいに咲き乱れる。
・・・はず。
というのも、まだここに引っ越してきて1週間しか経っていないからだ。
美樹は潮風に流れる髪の毛を押さえながら、改めてこの喫茶店『free‐time』を見上げた。
海の真ん前、青い屋根に白い壁、窓には木目調の格子が建て付けてある。
外にはウッドデッキと、白いパラソル。
ここが自分の店だなんて、未だに信じられなかった。
ほんの1ヶ月前までは、街のケーキ屋さんでアルバイトをしていたのに。
「刈谷美樹さん?」
ケーキ屋さんの閉店間際、一人の品の良さそうな老婦人が声をかけてきた。
制服にはフルネームの名札がついていたので、いきなり名前を呼ばれたことには大して違和感はなかったのだが。
老婦人は、にっこりと微笑んで。
「あなた、喫茶店のオーナー、やりたいんじゃなくて?」
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