A-YA-KA-SHI☆バスター!!

「もうひとつ。どうして中川さん、姿を変えているの？　声は確かに本人だけど・・・」
「あれのこと？　簡単に言うと、婆さんが人間に取り憑いてるみたいなものだよ」


　彩の話では、アヤカシがこっちの世界で『実体化』するには、相当のパワーを消耗するのだそうだ。
　それを軽減するためには、もともとここにいる人間に憑依するのが、最も力を使わないですむ方法のひとつなのだ。


「あの姿は元々ここに住んでる人のものだよ」


　つまり、中川美恵子は今、このペンションのオーナーの体を乗っ取ってる訳か、と美樹は彩風に解釈した。


「でもなんか、物凄いこと平気で言ってない？」
「習うより慣れろ、だよ。理屈こねたってカラクリなんてどうせわからないんだからさ」


　そう言って、彩は軽くウインクする。
　その性格が心底羨ましい、と美樹は思った。