A-YA-KA-SHI☆バスター!!
「今日のあいつ、なんか人を見下してない? 態度じゃなくてさ」
「・・・だな」


 彩の言葉に、諒は腕組みをして答えた。
 そして女をめがけて、観覧車の上を目指す。


「二人とも、あまり深追いするな!」


 悠がそう叫んだが遅かった。
 次の瞬間、彩がまっさかさまに下に落ちる。


「彩!」


 だが、落下しながらもなんとか鉄骨に掴まることができたらしく、彩は無事だった。
 それに気を取られ、集中が乱れた隙に諒も女が放った衝撃波をまともに食らってしまう。


「・・・っ!」


 今の攻撃の早さは、悠にも見えないほどだった。
 バカな・・・ありえない、と悠は愕然とする。
 自分達のパワーが落ちているのを差し引いても、こんなにもあからさまに力の差が生まれる事なんて、あるはずがないのだ。
 同じ“種類”の存在なのに。
 そんな考えが、悠の頭をよぎった。
 使っても使っても衰えない敵のこの力は、まるで後から後から湧いてくるようだった。
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