A-YA-KA-SHI☆バスター!!
 毎日の生活から、人間関係から、辛いことや悲しいことから。
 そして・・・自分の心の闇から。
 自分という存在が消えてなくなれば、その全ての物事から解放されるから。
 でも。
 誰にも、大切なものが1つあるから、人間はそれを抱えて生きていかなくてはならない。


「あたしは・・・逃げたい、のかな」


 消えて無くなりたい。
 そう思わないこともない、が。


「・・・つまんねぇの」


 声に出して、飲み終わった缶ビールを手でつぶした。
 そこへ、後ろから新しいビールが差し出される。


「・・・ったく。わざわざ気配消してくんなよな」


 缶を受け取りながら、彩は言った。


「なんか邪魔できない雰囲気だったからな。ブツブツ独り言言ってたし」


 諒だった。
 かんべんしてよ、と彩が呟く。


「悠はどうした?」
「珍しく一人で考えごとだってよ」
「ふーん」


 彩は缶ビールのプルトップを開ける。
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