A-YA-KA-SHI☆バスター!!
 美樹はカウンターにもたれかかって目を閉じる。
 店の奥の住居スペースからは、悠たちの笑い声が絶え間なく聞こえてくる。
 あの3人、いつも一緒にいるくせに、どれだけ話題が尽きないのだろう。
 ――・・・でも。
 ああいうのも、何だか心地いい。
 しばらくは、このままでいようか。
 思わず、そんな気持ちになってしまう。
 美樹は少しだけ微笑むと、店の後片付けを始めた。



☆  ☆  ☆



 その日の営業時間が終わり、夕食も済んで、四人はリビングでまったりとくつろいでいた。
 ・・・まぁ、これがまったりと言えれば、の話だが。


「やったー!! 勝ったー!!」


 トランプの最後の一組を放り投げて、彩は大袈裟にガッツポーズを決める。
 向かい合って座る諒の手には、ジョーカーが一枚残っている。


「これで、明日の掃除当番は諒なっ♪」


 ここ1週間、毎晩恒例になっている『明日の掃除当番決めババ抜き大会』だ。


「彩、お前掃除しないんだったら、店、手伝ったらどうだ?」


 とっくに一抜けしていた悠が言った。
 そう言えば、悠がババ抜きで負けたのを見たことがない。
 大概、諒と彩の一騎討ちだ。
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