A-YA-KA-SHI☆バスター!!
「ま、好きにしなよ。あたしは今日こそは早く寝る。いいよな、悠も諒も」
「あぁ、いいよ」
「じゃ、風呂入ってこよ」


 彩はそう言うと立ち上がり、リビングを出ていった。
 しばらくして、美樹はボディソープが切れているのを思い出す。


「彩、ボディソープ切れてたでしょ」


 ストックしてある新しいボディソープを手に、美樹は風呂場のドアを開けた。


「あ、サンキュ。そこに置いてて」


 シャワーで頭を洗いながら、彩は言った。
 うん、と返事をして、美樹はドアを閉める。
 そして、その場に立ち尽くした。
 シャワーを浴びている彩の後ろ姿。
 その背中には、右肩から腰のあたりまで、真っ赤なアザがあった。
 まるで、できたばかりのような大きなアザ。
 心当たりがあるとすれば、あの日。
 彩たちがこの店に来た日。
 倒れて意識を失った彩を、悠が治療したと言うが・・・。


「どうしたの、美樹ちゃん?」


 リビングに戻った美樹の様子に気付き、悠がそう声をかける。


「うん・・・彩の、背中が」
「あぁ、アザがあったでしょ」


 美樹は頷く。
< 18 / 313 >

この作品をシェア

pagetop