A-YA-KA-SHI☆バスター!!
☆  ☆  ☆



 悠たちが帰省して三日目。
 今日は土曜日で、学校は休みのはず。
 なのに。


「今日も、か」


 制服を着たまま、例の女の子が、また道の向かい側でこっちを見ていた。
 なのに、彩が覗くといなくなる。


「どうしたの?」


 やたらと窓の外を見ている彩に、美樹が声をかける。
 そして、女の子に気付いた。


「声、かけてあげれば?」
「そうしようと思うんだけどね。逃げられてばっかだよ」


 言いながら、彩は腕組みをして少し考える。


「やっぱ聞いてくる。あたし、何か悪いことしたかって」


 エプロンを外しながら、彩は言った。


「うん、後片付けはわたしがやっておくから」


 外はそろそろ暗くなってきている。
 彩はよろしく、と言い残し、店を出ていった。
 だが、女の子は彩の姿を見ると、何処かに行ってしまう。


「・・・あり得ないだろ」


 普通の人間とは違う運動能力を持った彩。
 それなのに、こんなに簡単に女の子を見失う筈はないのだ。
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