A-YA-KA-SHI☆バスター!!

「ま、美樹にとっちゃこんな訳のわからん連中がいきなり一緒に暮らし始めたんだから、ホントは聞きたいこといっぱいあるよなぁ」


　そう言っているうちに、車は街で一番大きなショッピングモールの駐車場に到着した。
　エンジンを止めて、彩は美樹の顔を覗き込む。


「ねぇ、美樹はあたし達のこと、嫌い？」


　いきなり、こんなことを聞かれる。
　全然嫌いじゃない。
　この３人が来て、一人じゃなくなった。
　ずっと、独りだったのだ。
　今は毎晩リビングに、笑いが満ちている。
　もう、寂しくない。
　だから、むしろ。


「好きよ」
「良かったー!!」


　そう答えた美樹に、彩はハンドルに突っ伏して、ほっとしたようにため息をついた。
　・・・そして、少しの間、沈黙する。


「・・・あのね、お願い。あまり深く考えずに、あたし達と一緒にいてくれるかな。一緒にいれば、きっと分かる。近いうちに、ね」


　ハンドルに突っ伏したまま、彩は言った。
　初めて聞く、彩の神妙な声音。