A-YA-KA-SHI☆バスター!!
 かといって、自分では何も出来ない。
 ――・・・もしも。
 自分が彩のように、能力をちゃんと理解して使いこなせていたなら。
 こんなにもどかしい想いをしなくていいのに。
 目の前で戦いに行く友達を、危険と分かっていて見送る事しか出来ない。


「泣かないで・・・」


 悠が、そう言って美樹を抱き締めた。


「ゆっ・・・悠くん?」


 そこで初めて、美樹は自分が泣いているのに気が付いた。
 色々な想いが、一気に溢れていたのかも知れない。


「俺たちの戦いに人間を巻き込んではいけなかったんだ。だから、悪いのは・・・」
「悠くん・・・」
「本当は、こんなこと早く終わらせなくちゃいけないのに」


 極々小さな声で、悠は呟いた。
 美樹の中に、悠の想いがその腕を通して、伝わってくる。
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