A-YA-KA-SHI☆バスター!!
「確かに美樹と一緒に暮らしているアヤカシの力は凄く強いけど、戦っている相手も、同じくらいの力を持っているんだ。上手い具合にバランスがとれすぎているんだよ。その均衡を破る為に、俺は人間の能力者を集めているんだ」
「均衡を破る・・・」
「そう。このままじゃ、アヤカシだけではなく俺たち人間にも危害が及ぶ。そうならない為にも、今、能力を持った自分達が動かなくちゃならない」


 いつのまにか、モップを持つ手は下がっていた。そして気が付くと、和也が目の前に立っている。


「その為には美樹、君の力が必要なんだ」
「わたしの力・・・」
「俺は、美樹の力を目覚めさせてあげることが出来る。美樹、本当の自分に、気付くべきだよ」


 自分の能力。
 何も分からない。
 本当は、自分は何が出来るのだろうか。
 ただ、守られてばかりの自分が、もどかしくてならなかった。
 もし、自分の能力をちゃんと把握して、使いこなせる事が出来たなら。
 ずっと、そんなことを思っていた。


「三日後・・・ね」


 耳元で、和也が呟く。
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