A-YA-KA-SHI☆バスター!!
「ちょっと待って。キザ男はそれを知ってて・・・?」
「そうだな。何をやらかしたいのか知らないけど、美樹ちゃんの力を利用しようとしているのは、間違いないね」


 そんなことさせるか、と彩は呟く。
 もうそろそろ、日が暮れてきた。
 暫くの沈黙が続く。
 不穏な空気は、段々と濃くなってきて。
 彩が立ち上がろうとしたその時、美樹がリビングのドアの前に立っているのに気が付いた。


「美樹・・・」


 うつむいたまま、美樹は何も言わない。
 何も反応がない美樹に、彩が近寄る。
 だが美樹はきびすを返すと、また部屋に戻ろうとした。


「美樹!!」


 その腕を、彩が掴む。


「やめろ、彩」


 悠がたしなめるが、彩は止まらない。


「何で言ってくれないんだよ、美樹。一人でそんなに悩むことないんだよ。あのキザ男が何を言ったのか知らないけどさ、あたしたちが何とかするから・・・」
「・・・い・・・」


 うつむいたまま、美樹が何かを言った。
 聞き取れないほど、か細い声で。
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