A-YA-KA-SHI☆バスター!!
「え?」
「みんなには、分からない・・・」
「だから、何を・・・」
「わたしだってみんなの役に立ちたいよ・・・いつもいつも守られてるだけで・・・それだけじゃなくて、わたしが、危険なことに巻き込んでる」
「美樹? 何を言って」


 よく聞いてないと美樹の言葉を理解することが出来ない。
 いや、理解出来たとしても、きっとそれは間違っている。
 それを彩が口に出す前に、美樹は更に続けた。


「彩はいいよね・・・ちゃんと自分の力を思い通りに使えてるから。でもわたしは」
「違う!」


 美樹の言葉を最後まで聞きたくなくて、彩は声を荒げた。
 だが否定したものの、何をどう伝えたらいいのか分からない。


「誰もそんなこと、思ってない!」
「思ってなくても、今だって・・・みんな、疲れてるのに・・・」


 外には、今日もアヤカシが集まりつつある。
 美樹は一瞬、彩と視線が合った。
 心配そうに、こっちを見ている彩。
 その視線を避けるように目を逸らすと、彩の腕を振り払い、テラスから庭に出た。
< 236 / 313 >

この作品をシェア

pagetop