A-YA-KA-SHI☆バスター!!
 気配を探る感覚は、ここにいる誰よりも強い。
 悠にも分からないらしく、それは何処かと聞いた。
 老婦人は、にっこりと笑う。


「港の方ね」


 白猫の太郎が婦人の足元に近寄り、身体を擦り付けるようにして甘えている。
 太郎を抱き上げると、婦人は言った。


「ここの留守番は、任せて?」
「うん・・・」


 いつもはすぐに飛び出して行きそうな彩が、何故か今回はおとなしい。


「どうしたんだ、彩?」


 諒が聞く。
 彩は浮かない顔で。


「美樹、終わらせて来るって・・・何を?」


 嫌な予感がしてならない。
 その答えは何となく分かっているのだが、それを口に出すことは気が引けて、悠は黙っていた。
 もしかしたら、アヤカシの戦いを終わらせるつもりなのかも知れない。
 そうだとしたら。


「もしも、ね」


 婦人は、太郎の頭をゆっくりと撫でながら口を開いた。
 その膝の上で、太郎は気持ち良さそうに丸くなっている。
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