A-YA-KA-SHI☆バスター!!
Act.3 【別世界】
まだ夕焼けの名残が、海と空との境目に綺麗なグラデーションを描いていた。
うっとりするような光景も、彩は全く見ていない。
車は喫茶店『free‐time』の裏にあるプライベートの駐車場に停車した。
荷物も下ろさずに彩はすぐに車を降りて、だが何故か家には入らずにそのまま海側の道路に出た。
そこには諒が立っている。
「お帰り、美樹ちゃん」
店の入り口付近で、悠が声をかけてくる。
「買い物、全部済んだ?」
いつもの穏やかな口調なのだが、どこか張り詰めた空気が漂っている。
「何かあったの?」
段々暗くなっていく空。
海風が美樹の髪の毛をすくい上げ、それを手で押さえる。
「うん。美樹ちゃんは、店の中に入ってて」
悠が言いながら、美樹の腕を掴んで店の方に押しやる。
やっぱり、何かあるのだ。
いつもはもっと穏やかなのに、こんなに有無を言わせないような悠を見るのも初めてだ。
美樹は黙って、店の中に入る。
うっとりするような光景も、彩は全く見ていない。
車は喫茶店『free‐time』の裏にあるプライベートの駐車場に停車した。
荷物も下ろさずに彩はすぐに車を降りて、だが何故か家には入らずにそのまま海側の道路に出た。
そこには諒が立っている。
「お帰り、美樹ちゃん」
店の入り口付近で、悠が声をかけてくる。
「買い物、全部済んだ?」
いつもの穏やかな口調なのだが、どこか張り詰めた空気が漂っている。
「何かあったの?」
段々暗くなっていく空。
海風が美樹の髪の毛をすくい上げ、それを手で押さえる。
「うん。美樹ちゃんは、店の中に入ってて」
悠が言いながら、美樹の腕を掴んで店の方に押しやる。
やっぱり、何かあるのだ。
いつもはもっと穏やかなのに、こんなに有無を言わせないような悠を見るのも初めてだ。
美樹は黙って、店の中に入る。